ふじっこブログ

日本一周・世界一周経験有の旅行会社社員のブログ

旅行業務取扱管理者とは?合格基準や免除要件などの資格概要まとめ

f:id:fuuujikko:20170316152741j:plain


旅行業務取扱管理者の実際の試験内容・対策方法は下記の記事を参照ください。まずは旅行業務取扱管理者試験の全体像をつかみ必勝学習法をつかんでいきましょう。

当記事では、旅行業務取扱管理者の免除要件などルール全般に関してまとめています。旅行業務取扱管理者の試験要件は少しだけ複雑なので、全体像まとめてみました。

旅行業務取扱管理者とは?

まず旅行業界にまつわる資格のなかで唯一の国家資格となります。正直、国家試験の中では難易度低い方ではあるので、狙いめの国家資格ではあります。

有難いことに生涯有効となります。
例えば不動産業に関する宅建の管理者などは定期的に更新が必要であるなど更新制の資格が多いなか、旅行業務取扱管理者は一度取れば一生そのまま使えるので便利。

入り口でもっとも重要な部分としては、総合旅行業務取扱管理者と国内旅行業務取扱管理者の2種類あるということです。

「総合」と「国内」の違いとは?

f:id:fuuujikko:20170316153531j:plain
では2つの意味の違いを説明します。

簡単に言うと、海外旅行を扱う営業所には総合旅行業務取扱管理者を選任する必要があります。国内旅行しか扱わない会社や営業所は国内旅行業務取扱管理者の選任のみでOK。「総合」は「国内」の方の資格の意義も含むので、国内旅行しか扱わない営業所に総合旅行業務取扱管理者を選任することは問題ないです。

故に「総合」の方が価値が高いですし、もちろん重宝されやすいです。
※ちなみに訪日外国人向けの旅行は国内旅行とみなされます。「誰」に対して行うかは全く関係なく「何」を行うかに重点をおいている資格です。
総合を取っておくにことしたことはないのですが、両者は受ける試験内容も、試験日程も異なります。試験内容の重複は多いのですが、総合の方は試験科目が増え難易度もあがります。試験内容については後述しますね。

旅行業務取扱管理者ができること・取得する意味

旅行業者は各営業所に「旅行業務取扱管理者」を1名以上選任し、一定の管理及び監督業務を行わせることが義務付けられています。これは本当の義務です、絶対です。別に守っていないところもあるけど実質バレないでしょ?などのレベルじゃないです、管理者がいないと確実に営業できないです。

取扱管理者が1名しかいなかったとして、その人が退職などでいなくなってしまったら、次の取扱管理者を入れるまでその営業所は事業を停止しないといけないのです。また取扱管理者は絶対に二つ以上の営業所の管理者になれないです。同じ会社内でも一人の人の名前で北海道支店も東京支店にも登録するなどはできないです。

このように旅行会社には必ず必要な人材となるため、資格保持者には手当として毎月の給与をアップさせる会社も多いです。並の中小企業以上では、資格保持者に対して毎月5000~1万円は手当として付与しているところが一般的です。

旅行業務取扱管理者は営業するための名前のためだけに存在しているのかとういうと、もちろんそんなことはありません。

仕事内容については試験を受ける段階では別に詳細把握しておく必要ないですが、旅行業法施行規則に定められている「旅行業務取扱管理者」の10個の職務を参考までに記述しておきます。

1.企画旅行の旅行計画の適正な作成

2.料金表の掲示

3.旅行業約款の掲示

4.取引条件の説明

5.契約書面の交付

6.適正な広告の実施

7.旅程管理のための必要な措置:旅程管理業務を行う主任の者を通じた管理・監督

8.旅行に関する的確な苦情処理

9.契約内容に係る重要な事項についての明確な記録または関係書類の保管

10.上記に掲げるもののほか、取引の公正、旅行の安全及び旅行者の利便を確保するため必要な事項として観光庁長官が定める事項

要は旅行業の営業所が旅行者に対してしないといけない内容についての管理や責任の所在は取扱管理者にあるのだよ的な感じです。

ちなみに試験では「旅行業務取扱管理者」の仕事として定められているものは以下のうちどれでしょう?」という形式で問題が出るのでテスト勉強としては上記覚えること必須です。

受験資格

f:id:fuuujikko:20170316152829j:plain
受験資格制限はないので全員受験可能です。学生でも他業種従事者でもニートでも誰でも可。
旅行業の資格の代表例として、旅行業務取扱管理者に次ぎ2番目にあがってくる旅程管理主任者試験(添乗員の資格、実務がメイン)は、現在旅行会社に勤めている人のみに受験資格が与えられています。 

試験の科目内容

試験の問題内容や攻略法の詳細に関しては冒頭に貼り付けた記事を参考にしてほしいですが、どういった内容なのか概要だけ説明します。

まず形式だけ言うと、「総合」も「国内」も全て4択のマークシート方式です。

「国内」の試験は3つの試験科目に分かれています。

 ①旅行業法及びこれに基づく命令
 ②旅行業約款、運送約款及び宿泊約款
 ③国内旅行実務

簡単に言うと、①②は法律など旅行業のルール系です。この日に取消したらキャンセル代かかるでしょうか?的な問題で記憶。完全記憶。法律ということで最初は敷居が高いと感じる人が多いですが、実は簡単。①も②も出る法律内容は限られていて問題パターンもある程度決まっているので過去問の内容の焼きまわしです。とにかく過去問の内容を暗記していけば落とすことはないです。

問題は③国内旅行実務です。これは半分が観光情報、残り半分はJRの運賃計算など実際の行動パターンに基づいた実務処理が試験問題となっています。JRの運賃計算は数問連なっていくので最初の根本部分間違えると、芋づる式で落としてしまいますので合否の要となります。観光情報は記憶範囲半端ない量です。ここは楽しめるかどうかが重要・・・

続いて、「総合」の試験は4つの試験科目に分かれています。

 旅行業法及びこれに基づく命令
 ②旅行業約款、運送約款及び宿泊約款
 ③国内旅行実務
 ④海外旅行実務

見ての通り①~③までの項目は海外とまったく同じです。
実は④の海外旅行実務が追加されるだけです。海外旅行実務は世界の観光情報も含み内容盛りだくさんです。

厳密に言うと、①~③の項目も試験内容も90%同じなのですが、「総合」の方は各項目において10%ずつくらい試験内容が追加されます。国内では出題されないパターンの内容があります。なので10%分だけ総合専用に対策する必要あり。

試験時間について

試験時間についても述べておきます。
国内は3科目まとめて試験が実施され2時間です。毎年13:30~15:30の実施です。
総合はテストが午前と午後の2回に分かれます。

 午前の部 80分  11:00~12:20 内容①と②の試験
 午後の分 120分 13:30~15:30 内容③と④の試験
もちろん全国どの試験場でも同時に行われます。

時間制限の設定はわりと余裕ありです。急いで解かなくても時間オーバーで回答できなかったということにはほぼないでしょう。 

試験の配点と問題数

f:id:fuuujikko:20170316152855j:plain
各科目の配点は公式に発表されています。
国内、海外どちらでも科目①②③の配点と問題数の傾向はほぼ同じです。

科目①②は各4点×25問でそれぞれの科目が100点満点です。
科目③は毎年少し変動ありですが、大体多いパターンが、
 観光情報2点×26問=52点、実務処理4点×12問=48点で合計100点満点です。

※観光情報が24問になって実務が13問になることがあるなどそれくらいの変動あり

総合の方も①と③の配点と問題数は同様で、②は4点×20問+2点×10問で10問の○×問題が加わるのでやや異なります。④に関してのみ200点満点となります。

合格要件

はい、一番気になるところですね。

一言で言ってしまえば合格基準は6割なのですが、普通のテストとは少し異なります。
正確には、各科目において6割以上の点数が取得できると合格となります。

国内で言うと、前述したとおり科目①、②、③それぞれが100満点になっていますので、全ての科目で60点以上を取れれば合格です。

仮に①が100点、②が90点、③が50点だった場合、3科目合計で言うと余裕で6割超えていますが、残念ながら不合格となります。すなわち得意な分野をつくりここは絶対9割以上稼げるという科目があっても無駄であり、いかに苦手分野を減らせるかのボトムアップが重要となります。

総合だと海外実務200点中120点取得しないといけないという条件が加わります。

試験は落ちてしまったが、③の項目だけは6割を超えていたという場合は、全てが無駄となるわけではありません。来年度の試験で③の項目はすでに合格済とみなされ受験不要で合格扱いになります。故に各科目の達成も来年度の免除に影響します。免除についてはやや複雑なので詳しくは後述しています。

最後に旅行業務取扱管理者の最大の特徴は、合否が相対評価ではないということです。例えば上位20%までの人が受かるテストであれば、毎年の受験者のレベルで合格点も変わります(国家試験ほどの人数になると大幅に全体平均が変わることはあり得ないので2.3点の差となりますが)。

旅行業務取扱管理者試験では周りの人の点数や平均点・偏差値など一切関係無しに、とにかく60点取得すれば合格なのです。そこはシンプルです。これも実質あり得ないことではありますが、受験者全員が60点超えれば全員合格です。

年度による難易度の差は生じないように頑張って作成されていますが、どうしても多少の差は出てしまうので合格率は年によってやや変動します。
大体は例年、国内が30%前後、総合は20%前後の合格率となっています。  

試験時期・申込時期・料金について

国内旅行業務取扱管理者の試験は例年9月の第一週目の日曜日に行われます。2016年は9月4日(日)。申込期間は6月頭に始まりそこから一ヶ月強です。申込締切は大体2ヵ月前です。2016年は7/4が申込締切日でした。受験料は5800円です。

一方、総合旅行業務取扱管理者の試験は例年10月の第二週目の日曜日に行われます。2016年は10月9日(日)。申込期間は7月頭に始まりそこから一ヶ月強です。こちらも申込締切は大体2ヵ月前です。2016年は8/4が申込締切日でした。受験料は6500円と国内より少し高い。

申込時期に関しては毎年絶対に調べてしっかり早めに申込みましょう。  

免除要件

もっとも複雑な項目がここです。
条件に当てはまればいくつかの試験科目が免除されるという免除制度があります。

f:id:fuuujikko:20170316153400j:plain

免除のパターンは大きく分けて2つ存在します。

Ⅰ.一定年数以上働いた旅行業務従事者で旅行業務取扱管理者研修を受けたもの

Ⅱ.前年度に合格した試験科目または国内旅行業務取扱管理者の資格を持つもの

シンプルなⅠ.から説明しますが、決められた年数以上旅行会社などで働いている人は国内旅行業務取扱管理者研修を受ける権利があります。この研修を受けると試験科目③の国内旅行実務が免除されるという制度です。この科目は受験不要で自動で合格とみなされます。国内試験では一番難しい③が免除となるので影響は大きいです。

正確な受講資格としては、旅行業者または旅行業者代理業者に最近5年以内に3年以上従事した経験を有し、現在も引き続き旅行業務に従事している者となっています。旅行会社の中でしっかり働いてから取ろうとする人は、実際にこの制度を利用している人も多いです。

総合旅行業務取扱管理者研修も同様にあります。こちらの受験試験資格は最近5年以内に3年以上、海外旅行を取扱う業務に従事したものとなります。海外用の研修なので海外旅行業務で経験が3年以上必要です。この研修を受けると総合テストの試験科目④海外旅行実務が免除となります。さらに国内旅行業務取扱管理者研修も受けると、総合テストでも科目③も免除することができ2科目の免除も可能となります。

こちらは旅行業務に従事している人だけに関連する話だし、そもそも普通に試験受けた方が早いし、テストで身に着けた知識も無駄にはならないので、試験の方が僕は良いと思っています。


重要なのはこちらで、年度を跨いだ話になります。やこしいけど重要。
Ⅱ.前年度に合格した試験科目または国内旅行業務取扱管理者の資格を持つもの

改めて試験科目のおさらいをしておきましょう。
 ①旅行業法及びこれに基づく命令
 ②旅行業約款、運送約款及び宿泊約款
 ③国内旅行実務
 ④海外旅行実務

総合旅行業務取扱管理者の試験は上記4科目、国内試験は①~③までの3科目でしたね。

まず総合試験を受ける人で国内旅行業務取扱管理者の資格を保持している人がいます。その人は試験科目①と③が免除されます。④が残るのは当然ですが、何故か②だけもう一回受ける必要があるそうです。なので戦略的にまずは国内資格を取って、翌年に免除制度を用いて2科目だけの受験で総合資格を取るという人もわりと多いです。

注意しないといけないのは、2016年9月に国内試験を受けて、同じ2016年の10月の総合試験で免除を適用させることはできないです。免除適用は翌年以降となります。そもそも総合試験時点では、まだ国内試験の合否でていません。

次に前年度に一部科目だけ合格している人パターンです。(総合資格パターン)

④海外旅行実務に合格していれば、翌年の④海外旅行実務が免除
③国内旅行実務に合格していれば、翌年の③国内旅行実務が免除
③④両方に合格していれば、翌年の③④科目免除なので科目①②の受験のみ

①や②だけ受かっていても翌年の免除にはなりません。③④両方に合格しているパターンはほぼ発生しません。③や④の難しい方受かった人で、難易度低め①②に落ちる人は相当少ないです。

一応この内容を表にまとめてみると、こんな感じ。

f:id:fuuujikko:20160908150946p:plain

国内テストの免除は総合パターンの④が消えるだけです。すなわちシンプルで③国内旅行実務に合格していれば翌年①②だけの受験でOKて感じです。

 

【気を付けないといけない点】
一部科目合格による免除制度を使用できるのは翌年の試験のみです。2014年度試験で③国内旅行実務に合格したが、2015年は受験しなかった場合、もうその免除資格は残りません。2016年はもう一度ゼロから受ける必要があります。

国内旅行業務取扱管理者の資格保持による免除は翌年以降であればいつでも効力発揮できます。2010年に国内試験合格して、6年後にふと総合受けようとなったときでも免除資格ありです。


国内/海外旅行業務取扱管理者試験を受験する前に知っておかなければいけない内容としては、当記事に書いていることをおさえておけば十分です。