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訪日消費額や訪日旅行者数推移を徹底分析!訪日旅行業のマクロ観点(需要Ver)

訪日観光市場のマーケットが急激に拡大していることは明白ですが、実際にどれくらいの市場規模であり、どこでどのようにお金が動いているのか記述していきます。
消費額における国別の特徴など訪日旅行業のマクロ観点の需要側の分析記事です。

訪日観光人数

この段落の要約訪日外国人人数・人泊数ともに大幅増加。
国内旅行と比較して月別の人数の差は小さい。


▼訪日観光人数推移

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まず訪日観光客数ですがイメージ通り基本的に右肩上がりですが、
国内旅行同様に震災の2011年のみ減少しています。2015年は過去最大の伸び幅。

▼月別観光人数

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7.8.10月が多く、次に4.12月が多いですが、月別による人数の差は国内旅行より小さいです。国内旅行で埋めきれない閑散期にいかに訪日旅行客を増やせるかといった部分が日本の観光業界全体の課題の解決策の一つにもなり得ます。

▼述べ宿泊者数(人泊)

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訪日外国人の大幅人泊数増加により、全体の人泊数も増加傾向にあり、宿泊施設稼働率も上昇中です。

 

▼目的別

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出典:観光庁発表資料

訪日外国人の属性・行動データの詳細は国別市場分析にて記載しますが、この部分は国によって大きく変わってきます。 

国別の訪日観光人数

国別に見てみますと8割以上がアジアからの訪問であり、特に中国・韓国・台湾・香港が圧倒的に多いです。一国の需要に頼ることは大きなリスクでもあるので、訪問国数のバラエティを増やすことも大きな課題です。
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訪日観光消費額

この段落の要約人数とともに1人あたり支出も増加し、消費額の増加幅はより大きい。
一般的な旅行消費額には日本までの移動費は基本的に含まない。
訪日旅行による全体支出額の平均は259.828円(日本までの航空券含む)
パッケージの人は前に支払う金額が大きくなります。

もっとも重要な訪日観光業全体における消費額の分析をしていきます。

▼訪日観光客による消費額推移

     消費額推移   前年比   1人あたり旅行支出
2015年 3兆4,771億円 71.5%増  17万6167円
2014年 2兆278億円  43.1%増 15万1174円
2013年 1兆4167億円  30.6%増  13万7000円
2012年 1兆846億円  33.3%増 13万0000円
2011年 8135億円  29.2%減 13万1000円
2010年 1兆1149億円

経済波及効果を試算すると、生産誘発額は7.6兆円、付加価値誘発額は3.9兆円(対名目GDP比率で約0.77%に相当)となりました。 

▼旅行消費額の定義

旅行消費額に含む分
①全旅行者の日本滞在中の支出(宿泊/飲食/交通/娯楽サービス/買物など(旅行前に決済された宿泊や交通も含む))
②旅行前支出
 ⅰ.個人手配者の旅行前支出(航空・船舶会社に支払れる運賃)
 ⅱ.団体ツアー参加者の旅行前支出、個人旅行向けパッケージ
   商品利用者の旅行前支出(航空、船舶などへの運賃、旅行会社への手数料など)
 ⅲ.団体ツアー参加者の旅行前支出、個人旅行向けパッケージ商品利用者の日本国内に支払われる支出(宿泊/交通/飲食/娯楽/サービス)

 ②ⅰ.Ⅱ、つまり日本までの移動費は基本的に含まれない
①は143,832円/人
①+②ⅲ=176,167円/人 これが訪日外国人旅行消費額となり,
訪日数を乗ずると34,711億円

国別の消費額
訪日旅行者数ダントツ1位の中国ですが、一人当たりの消費額もダントツで1位であり、総合消費額に関しては中国が非常に大きな割合を占めています。爆買いという言葉も一時期流行った通り、中国は諸外国と比較して圧倒的に買い物代が多いです。

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▼タイプ別の旅行前消費額

 団体ツアーの購入者単価    1 人当たり平均 149,276 円
 個人旅行パッケージの購入者単価    平均 137,300 円
 個別手配者の国際旅客運賃の購入者単価 平均 89,970 円
  (→出発国から日本までの往復運賃)

日本滞在中に支出された旅行中支出1 人当たり平均 143,832 円
(前ページの②ⅲ.を含まない金額)
団体ツアー参加者      1 人当たり平均 108,911 円
個人旅行パッケージ利用者 1 人当たり平均120,722 円
個別手配者 1 人当たり平均 163,844 円
 
旅行前支出と旅行中支出を合算した旅行総支出は、
  1 人当たり平均 259,828 円
パッケージは旅行前に宿泊費などが含まれている一方で個人手配者(FIT)は、現地の宿泊費用などもすべて旅行中に含まれる
※旅行タイプの詳細については下記参照

▼項目別の消費額
交通費には日本に来るまでの飛行機や船代は含まれておりません。国内移動の飛行機や新幹線などは含みます。買い物代が占める割合は非常に大きく、この分野の不便性、問題を解決できるサービスは今後より需要が高まるでしょう。

 宿泊料金 8,974億円(25.8%)
 飲食費  6,420億円(18.5%)
 交通費 3,678億円(10.6%)
 娯楽サービス 1,058億円(3.0%)
 買物代 14,539億円(41.8%)
 その他 102億円(0.3%) 

▼費目別購入率および購入者単価

 項目   購入率  購入単価
 菓子類              65.0%  9,457
 その他食料品・飲料・酒・たばこ  58.8%  11,975
 カメラ・ビデオカメラ・時計   11.5%  70,770
 電気製品             19.7%  43,639
 化粧品・香水    42.4%  29,446
 医薬品・健康グッズ・トイレタリー 47.3% 23,998
 和服(着物)・民芸品    11.9% 15,557
 服(和服以外)・かばん・靴 40.6% 38,841
 マンガ・アニメ・キャラクター関連12.8% 12,407
 書籍・絵葉書・CD・DVD 11.6% 6,535

訪日客の行動・属性

この段落の要約FITが年々増加傾向にあり。中国が団体ツアーの比率上げている。
訪日1回目の人が約4割。

▼旅行タイプの割合(2015年)

団体ツアーに参加      25.6%
個人旅行向けパッケージ商品 12.3%
個別旅行(FIT)       62.1%
 分母がもっとも多い中国で団体ツアー率が高い(42.9%)ので、 
 団体ツアー率が押し上げられている 

▼FIT(Foreign Independent Tour)

団体旅行やパッケージツアーを利用することなく個人で海外旅行に行くこと。Free Individual(Independent)Travelerともいう。1964(昭和39)年の海外観光旅行自由化以降しばらくの間、海外旅行はパッケージツアーや団体旅行で行くことが多かったです。しかし、海外旅行の経験者が増えるに従い旅行目的も多様化し、不特定多数を対象としたパッケージツアーなどではなく、自分の目的に合わせた旅行をしたいという要望が高まりFITが増えてきた。観光旅行のみならず、業務や海外駐在、家族・知人訪問などで海外を訪れる人が増えたのも一因と考えられます。FITという言葉が浸透したのは、格安航空券が出回り海外旅行者数が急増した1990年代初め頃からといわれています。
 
個人手配の海外旅行。パッケージツアーに対して、個人や少人数で、コースや日程・宿泊施設などを自由に決めて行う旅行。ビジネスマンや旅慣れた人に人気があったが、格安航空券の普及に伴い一般旅行者にも広がっています。

▼手配の時期

国内旅行と比較して手配の時期はやや早めとなる傾向にあります。

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▼訪日回数
1回目の人数が4割で10回目以上のリピーターも1割越。
中国以外の東アジア諸国は1回目が少なくリピーター率が高いです。 

▼満足度
基本的に満足度は高いです。

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▼平均泊数(2015年)

10.2泊。観光だけの人に絞ると5.9泊 。2013年は11.9泊。
基本的に東アジア諸国は平均泊数短め。
フィリピンやベトナム、インドでは研修など長期滞在者の割合が他の国籍・地域に比べて多いため平均泊数が長くなっている。インドや欧州、カナダ、オーストラリアでは10泊以上と長めです。

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▼年齢別・性別などの顧客データ

●性別

男性:女性= 51.5% : 48.5% (2015年)

●年齢
20代以下 32.3% 
30代   30%
40代   19.7%
50代   11.9%
60代以上 6.0%
 
●グループ属性
自分ひとり   23.2%
夫婦・パートナ 14.3%
家族・親族   28.6%
職場の同僚   12.0%
友人      19.1%
その他     2.8%
        ー2015年:観光庁調査によるデータ

▼都道府県別データ

東京周辺・関西・北海道・沖縄が圧倒的に多い。続いて福岡・愛知。
長野・静岡・広島も訪問率は一定数あり。

外国人延べ宿泊者数 平成27年 1~12月 計66,372,660

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訪日客のうち50%以上が東京には訪れています。1回目だけの訪問者に絞ればその割合はもっと増えます。回数が増えれば増えるほど関東や関西圏以外にも訪れる傾向があります。北海道や台湾に行くか否かは国毎の特徴が大きく出て、台湾・香港など沖縄多いです。
東京周辺・関西に続き、北海道・沖縄・福岡・愛知が人泊数が多く、宿泊数が少ないが訪問率が高い県が長野・静岡・広島です。

訪日観光のマクロ数値について記述しました。とにかくかなり伸びているということは分かりますが、数値だけを見ても実際の現場のイメージは湧きにくいので 各分野の詳細を別記事で紐解いていきたいと思います。